Music | 2019.08.30 Fri | 3 shares開演時間を少し回ったところで場内の照明が暗転し、最新オリジナルアルバム『ANTI ANTI GENERATION』のオープニングを告げるインスト曲「Anti Anti overture」がSEとして流れると、満員のオーディエンスから熱狂的な歓声が上がる。一転、厳粛としたムードの中で1曲目「tazuna」の演奏が始まる。降りしきる雨が映し出される演出の向こう側にはサポートの刄田綴色と森瑞希のツインドラムを擁する5人のメンバーがおり、ピアノの前に座る野田洋次郎(Vocal/Guitar/Piano)、ギターを持つ桑原彰(Guitar)、コントラバスを奏でる武田祐介(Bass)の姿が確認できる。2曲目の「NEVER EVER ENDER」の始まりとともに、EDMの系譜に連なる躍動するビートとシンセフレーズがステージから放たれる。巨大なLEDビジョンには色鮮やかなモーショングラフィックが映し出されている。「会いたかったよ!」と野田が咆哮すると、そのままツインドラムのタイトかつダイナミックなリズムセクションがバンドサウンドを牽引する「ギミギミック」へ。そこからタブゾンビ率いる“タイタン・ゾンビーズ”と命名された4人のホーンセクションが登場した「カタルシスト」とつなげ、序盤の流れで早くもRADWIMPSの自由度の高い音楽性を提示してみせた。「フィナーレの3日間、2日目にきてしまったんで、名残惜しさがいっぱいなんだけど、ありあまるエネルギーが満ち満ちています。受け取る覚悟はできてますか!? 最高の1日にしましょう、よろしくお願いします!」そんな野田の挨拶のあとに鳴らされた「万歳千唱」で高らかに響き渡った野田とオーディエンスの〈なぁどうすんだよ!?〉〈おいどうすんだよ!?〉のコール&レスポンスは、いきなりライブのクライマックスを迎えるような様相を呈していた。いや、この日のライブは1曲ごとに山場を迎えるような瞬間の連続だった。たとえばホーン隊とともに繰り広げたジャズセッションからシームレスにつないだ「アイアンバイブル」にも顕著だったが、ツアーで熟成されたバンドのパフォーマンスはどの曲でも極まっていたし、各曲の連なりで大きな物語を描くようなセットリストの流れと映像やライティングの演出も見事だった。アリーナ中央に設置されたセンターステージにてミニマムなアンサンブルで披露された「I I U」と「そっけない」を経て、ものすごい緊張感が会場を支配し誰もが固唾を飲んだ「洗脳」と「PAPARAZZI」。特に「PAPARAZZI」における、カメラに追われながらトラップのビートをバックに徹底的に冷たく厳格なラップを独白する野田のパフォーマンスは鬼気迫るものがあった。そう、こういった強烈な毒味もまたRADWIMPSを形成する重要な要素である。野田が指揮者となって各メンバーの高い演奏力を際立たせる「おしゃかしゃま」を皮切りにライブは再びギアを上げていく。タイタン・ゾンビーズとMIYACHIを迎えた「TIE TONGUE」以降も熱量を上げながら本編後半に突入すると思いきや、2012年以降、毎年3月11日に発表している楽曲の一つである「夜の淵」で祈るようにして歌と演奏を紡いだのも印象的だった。「IKIJIBIKI」からアッパーに駆け抜けていった本編後半は、映画『天気の子』の主題歌の一つである「愛にできることはまだあるかい」によって閉じられた。『君の名は。』に続きRADWIMPSが再び劇伴制作を担当した新海誠監督の最新作『天気の子』はこのツアー中に公開され、今もなお観客動員数を伸ばし続けている。ミクロとマクロを同時に見つめるような、ささやかなのにスケールの大きなラブソングである「愛にできることはまだあるかい」におけるバンドの丁寧なアンサンブルを聴きながら思ったのは、映画同様にRADWIMPSの音楽像でありバンド像もまた社会現象を巻き起こした『君の名は。』のフェイズを更新してみせた、ということだ。 アンコール。スペシャルゲストとしてステージに招かれたのは同じく『天気の子』の主題歌である「グランドエスケープ」のボーカリストを務めた女優・三浦透子。彼女の登場にオーディエンスは驚きと歓喜の声をあげたのは言うまでもない。「グランドスケープ」を奏でる前に、野田はこう言った。光量の高いエレクトリックサウンドと重厚で力強い生音が融合したオケに乗る三浦の歌唱は、揺るぎなく澄み切った意思を感じさせる、じつに凛としたものだった。まさに記念碑的なコラボレーションがここに実現した。アンコール2曲目。そう、RADWIMPSというバンドの音楽はどこまでも生々しい人間味を帯びながらどんどん自由に、大きくなっている。そのことをまざまざと証明した素晴らしいツアーファイナル直前だった。そして、このツアーの手応えがどのように新たに生まれる楽曲にフィードバックされていくのか。おおいに期待したい。Text:三宅正一2019年7月19日(金)主題歌となるボーカル楽曲5曲と、26曲の劇伴、計31曲を収録RelatedRADWIMPSニューアルバム『天気の子』の主題歌5曲タイトル発表|映画のスペシャル予報も解禁RADWIMPSアルバム『天気の子』が本日発売!「愛にできることはまだあるかい」MVも公開RADWIMPS、NHK総合にて「天気の子」特集番組の放送が決定!4曲のパフォーマンスを披露RADWIMPS『天気の子 complete version』の収録楽曲詳細を発表|ジャケットビジュアルも解禁米津玄師「これ誰だと思いますか?」Twitterで公開した似顔絵の主は一体?KeywordGallery竹田賢治Qetic編集部Published on Rankingアメリカンチャイニーズレストラン「PANDA EXPRESS」が渋谷「RAYARD MIYASHITA PARK」にオープン決定!数量限定クーポンも配布『アメリカン・スナイパー』を殺害した男の壮絶な半生に迫るシュークリーム専門店「ビアードパパ」の新コンセプトショップが茨城・土浦にオープン決定!“自転車のまち”ならではの限定商品も米津玄師が『ROCKIN’ON JAPAN』9月号で『STRAY SHEEP』を語り尽くす!表紙解禁&ロングインタビュー収録決定公開延期となった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の特報2’が急遽解禁!公開はいつになる?『アベンジャーズ/エンドゲーム』を超える超大作がMCUで実現する!?監督アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟が「シークレット・ウォーズ」について言及ベジタリアン向けや和牛ラーメンも!渋谷「RAYARD MIYASHITA PARK」にオープン予定のNY発祥ラーメンブランド「黒帯」のメニューが解禁夏用の冷感抗菌UVマスク『ATB-UV+MASK COOL』がNEWSCHOOLにて発売|表参道のポップアップストアは明日スタートドラマ『映像研には手を出すな!』のBlu-ray&DVDが発売決定!乃木坂46・齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波出演の青春冒険譚をもう一度A BATHING APEとCOMME des GARCONSのコラボTシャツやフーディがBAPE STOREコムデギャルソン大阪限定でリリース!〜 LIVEWIRE Suchmos From The Window 〜【Photo Documentary】珠 鈴がSTADIL LIGHT CANVASで魅せる二面性 by HummelYAMAMOTO×IKUTA VOL.2|Molting人と人、音楽で紡ぐプレイリストリレー|Vol.3 堀川達郎「Riverbed:」地方発カルチャーの新しいスタイル|クリエイティブ・ユニット BOATが福岡の街に生まれた理由 “福岡のカルチャースポット”編PALLADIUMのパドルプラスとパラボスプラス、仕事に履いていくならどっち? 快適さとファッション性を徹底比較トレイ・エドワード・シュルツ監督 interview|青春映画の新しい傑作、映画『WAVES/ウェイブス』に込められた想い“もっと地元が好きになる” |ニュウマン横浜に誕生した神奈川の魅力を伝える新スポット“2416 MARKET”を探索!地方発カルチャーの新しいスタイル|クリエイティブ・ユニット BOATが福岡の街に生まれた理由 “福岡のムーヴメント”編映画ソムリエ 東 紗友美の「美味しいを堪能する」おすすめ料理・グルメ映画5選!ジ・アンダーテイカー / 地獄の墓堀人、降臨。【期間限定・受注販売中】フェスやアウトドアにおすすめのアイテムが勢ぞろい!フジロック’20グッズ特集FAKYのちょっと聞いて vo.5|私+写真= by HinaNew ArticlesQeticの新感覚グルメ番組『フッドめし』がスタート!初回は釈迦坊主×MARZY|WWWでのローンチパーティーも香川から20歳のヘヴィーな刺客が登場──ラッパー・TKRがRhythmJones全曲プロデュースの1stAL『ALCATRAZ』より「AM 24」MVを公開【レイングッズ特集2020】梅雨の時期も快適&おしゃれに乗り切る!高機能な防水アイテム15選ベジタリアン向けや和牛ラーメンも!渋谷「RAYARD MIYASHITA PARK」にオープン予定のNY発祥ラーメンブランド「黒帯」のメニューが解禁昨年即完売となったリーボック「INTERVAL」復刻版の2020年秋冬モデルが発売決定!日本限定カラーも登場京都、奈良を拠点とする東慎也、米村優人の作品展<神の左手 悪魔の右手>が渋谷EUKARYOTEにて開催!Basement Jaxx裏ベスト盤購入記念!タワーレコード限定特典としてハウス・コレクティヴCYKによるプロモ・ミックスCDが決定Pitchforkで満点を得たフィオナ・アップルの新作『フェッチ・ザ・ボルト・カッターズ』、待望の国内盤がリリース決定!貴重な輸入アナログ盤も完全生産限定でリリースクラフトビール『僕ビール君ビール』にFLOWER FLOWERとのコラボデザイン缶が登場!オリジナル曲“はなうた”もリリース決定時代に口髭を生やすニュースメディア
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